小児泌尿器科
亀頭包皮炎
症状
- 排尿時に包皮が風船状に膨らむ、尿線が細い、時間がかかるなど
- 包皮が腫れる、赤くなる、おしっこする時に痛い、膿がでるなど(亀頭包皮炎)
- 包皮が無理にめくれ、亀頭を締め付け循環障害生じ包皮の浮腫を生じる(嵌頓包茎)
- 包皮を通して黄白色のしこりを認める(恥垢)
検査・治療
包茎は真性(亀頭が露出できない)、仮性(亀頭が露出できる)に分けられます。 真性包茎は新生児のほぼ100%で認められ、成長に伴い大多数は自然治癒します。亀頭包皮炎を生じた場合は抗生物質の内服や軟膏を塗ります。嵌頓包茎はめくれた包皮を戻す必要があります。うまく戻らない場合は手術治療(狭い部分の切開)が必要になります。恥垢は病的なものでなく分泌物や皮膚表面の垢がたまったものであり処置の必要はありません。包茎は原則として放置して良いですが、合併症(排尿障害、尿路感染症、亀頭包皮炎)を繰り返す場合は治療が必要です。保存療法は包皮を陰茎根部方向に引っ張り狭い部分にステロイド軟膏を塗ります。1か月程度継続します。手術療法は保存療法がまったく無効で包皮口周囲が狭い症例が適応となります。
おねしょ(夜尿症)
症状
- 5歳以降で1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続く
検査・治療
夜尿症は年長児で約15%、小学校入学時に約10%、小学校高学年で約5%に見られます。夜尿症が治らないことからお子様が自信を失い、心理面や生活面で支障をきたす恐れがあります。小学校に入学しても夜尿症が続くようであれば早めに治療をしましょう。適切な診断、治療を受けることで2~3倍治る率が高くなると言われています。初診時、問診、身体診察を、検査は尿検査(尿路感染がの有無、尿の濃さの評価)、超音波検査(尿路奇形、膀胱の大きさの評価)を行います。再診時まで排尿日誌(おねしょの回数、1回排尿量など)を記録してもらうとともに、飲水・塩分摂取の制限、夜更かしの改善、便秘に気をつけるなど、まずは生活習慣の改善を試みます。それらの生活指導で改善が見られない場合は、薬物治療、またはアラーム療法を行います。
- 薬物療法
・抗利尿ホルモン薬 体内で尿や水分を調節し、尿を濃縮して量をへらします。
・抗コリン薬 膀胱の収縮をおさえ尿をためやすくします。
・三環系抗うつ薬、漢方薬 先の薬で効果不十分な場合に使われる事があります。
おねしょをアラームで知らせてそれを繰り返すことにより膀胱が尿をためられるようになります。アラーム療法を続けると膀胱が大きくなりやすいとの報告があります。おねしょを感知するセンサーを装着し、アラームがなったら起きて自分でアラームを止めます(本人が起きられない場合は、ご家族の協力が必要です)。アラーム療法は夜尿症に有効な治療法のひとつですが、保険適用外の治療です。当院ではおねしょアラーム『ピスコール』のレンタルプランが利用可能です。
停留精巣
症状
乳児検診で見つかることがほとんどです。